-目次-
□ 概説
□ 顔料の個別説明
□ 概説
紫の顔料は、なかなか適当なものがないために、赤と青の顔料を混ぜ合わせて作られている絵の具が多く存在するようです。それに、わざわざ紫の絵の具をかわずに、赤と青を混ぜて代用している人も多いことでしょう。
でも、紫の顔料を使った絵の具のほうが色そのものは濁りがなくてきれいです。意外と紫も役に立つものだというのが個人的な意見ですが。
□ 色の名前と顔料
絵の具の名前の多くは顔料の名前に由来していますが、必ずしも一致するわけではありません。
ここでは自分の知る限りの範囲で実際使われている絵の具の名前と顔料の対比をしてみます。
| 絵の具の名前 | 使われている/関連する顔料 |
| コバルトバイオレット | コバルトバイオレット |
| ミネラルバイオレット | ミネラルバイオレット |
| マゼンタ | マゼンタ |
| モーブ | モーブ、 |
[説明]
コバルトバイオレットはその毒性のために最近は使用されなくなってきています。それに非常に高価(多分最高ランク)なので、使っている人は少ないでしょう。
コバルトバイオレットは濃口と淡口など数種類があります。
■ 濃口コバルトバイオレット [Cobalt Violet Deep]
C.I.Name Pigment Violet 14
[説明]
1859年に発見され、19世紀末頃から絵の具用に使われるようになった。
アルカリに弱いのでアクリル絵の具やフレスコには使えません。
[組成]
リン酸コバルトCo3(PO4)2からなります。
[油絵の具]
あまり着色力はありません。かなり透明度が高い絵の具です。きれいな色なのですが、やはり高価なのが難点です。
■ 淡口コバルトバイオレット [Cobalt Violet Light]
[説明]
淡口のコバルトバイオレットは独特の紫で不透明ですが、着色力はあまりありません。鉄と反応して変色するようです。耐久性には優れています。
[組成]
砒酸コバルトCo3(AsO4)2からなります。
[毒性]このコバルトバイオレットは砒素を含んでいるので有毒です。そのため最近は製造されなくなってきています。
[油絵の具]
かなり透明度が高い絵の具です。きれいな色なのですが、やはり高価なのが難点です。
C.I.Name Pigment Violet 16
[説明]
1868年にドイツのニュールンベルクで作られたので、ニュールンベルク紫とも呼ばれる。
酸やアルカリには弱いが、耐光性は良い。
[組成]
組成はリン酸マンガンアンモニウム(NH4)2Mn(P2O7)2からなります。
二酸化マンガンとリン酸第二アンモニウムを溶融して製造されます。
[油絵の具]
コバルトバイオレットよりも透明度が低いので、使いやすいかもしれません。
C.I.Name Pigment Violet 4
[説明]
1852年、ナタンソンがアニリンと塩化エチレンを原料に作った染料です。その名は北イタリアの町の名前に由来しています。
鮮明な赤紫の染料でレーキ顔料にして用いられます。
[構造]
構造は次のようです。
[説明]
モーブは紫色の染料ですが、現在ではその色の名前のみが残っています。 モーブという名前はフランス語で「ぜにあおい」の花の色に由来します。 現在絵の具としては名前だけが使われているようです。
[構造]
ちなみに構造は次のようです。