顔料のいくらかは毒性があるので注意が必要です。
□ 顔料と毒性
現在、危険性の高い顔料は次第に使われなくなりつつありますし、とくに児童用の絵の具などはかなり安全性の高い顔料を使うようになってはいま。その一方、専門家用の絵具では鮮やかな色やきれいな色、独特な色を表現するために多少危険ではあっても使われている顔料があります。
現実に、毒性の無いものだけを使うというのは不可能なので、使い方を工夫してその害が人体におよばないようにすることが大切です。
無機顔料の毒性は含まれる重金属に由来する毒性が主で、一方有機顔料の毒性は無機顔料ほどはっきりした毒性を示しませんが、その構造に起因する体内活性や発ガン性などがあります。今後新たに登場する含量はまず有機顔料であるはずですが
有機無機の区分は便利な分類法ですが、ここでもこの分類法が役に立ちます。
もっともこの安易な分類を(とくに将来にわたって)考えることは危険かもしれませんが、それでも簡単な道しるべにはなるでしょう。
□ 重金属の毒
鉄をのぞく重金属と呼ばれる金属には毒性を持っている元素が多く。顔料の原料となる金属元素の中ではチタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、砒素、カドミウム、アンチモン、水銀、鉛などがこの重金属に相当します。このうち特にクロム、カドミウム、鉛、銅は毒性が強く取り扱いに注意が必要です。
重金属の毒の特徴は体内に吸収されると体の外へ排出されにくいということ、
以下にそのなかで特に毒性が強い顔料を挙げておきます。それぞれの毒性は各項目で述べます。
もし(とくに幼児など)誤って飲み込んだ場合の応急処置は水(牛乳)を飲ませて吐き出させるとかあるようですが、すみやかに医師の診断を受けるべきでしょう。重傷の場合は重金属を薬剤(キレート剤)で無害化する(体外に排出しやすくする)というような方法があるようです。
□ 発ガン性の毒
DNAの塩基対に似ている物質は発ガン性をもっている事が多く、都合の悪いことに合成さてた有機色素には比較的塩基とよく似ているものが多くあります。
いままでに発明されたいわゆる合成着色料の多くが発ガン性があるということで使用禁止になったことを思い出せば、絵の具に使われている有機色素も危なそうだなと思えるのではないでしょうか。
たしかに顔料は水へは溶けにくいし、急性の毒性はいので子供用の絵の具などはちょっと食べたぐらいで命に関わるような事はありませんが、
子供用の絵の具には比較的安全な有機顔料が使われているようですが、本質的に「絵の具を食べてはいけない」ということに変わりありません。あくまで「比較的」安全な顔料としか言えないのです。
□ 使用法と中毒
毒というものは体に入らなければ毒として働きません。どのようにすると
顔料による中毒のパターンには次のようなパターンがあります。
絵の具を食べるというパターンでまず、考えられるのは子供が謝って口にするとかいうものですが、絵の具を使った後手を洗わずにものを食べるとか、絵の具の粉末が食べ物に付着するということも考えられます。
細かい粉末は空気中にまき散らされると、息を吸ったときに顔料を吸い込むことになります。エアブラシやスプレーを使うときは注意すべきです。
(筆者もついやってしまうのですが)指を使った技法では指に傷があるとその傷口から顔料が侵入してしまいます。指を使う前に何か他の道具を使うことを考えた方が賢明でしょう。ゴムやスポンジなどを使うという手があります。
顔料はかなり細かい粒子なので指紋のすきまに入りこみ、害を及ぼすこともあります。絵の具を使った後はセッケンを使って手を洗いましょう。
比較的安全な顔料を使っている化粧品などでも傷口につくと害を起こす可能性があります。ボディペインティングは傷口があるときは危険です。
エアブラシのようなスプレー型の道具を使う人は注意が必要です。噴霧により空気中には目に見えなくても絵の具の微粒子が飛び散って漂うことになるので息を吸うときに顔料も吸い込んでしまいます。
有毒な顔料を吸い込んだ場合は大変危険で、肺で吸収された場合速やかに全身へ毒が広がる可能性があります。まず毒性の強い顔料を使うことは絶対に避けるべきです。
と脅かしたところで、対処法はマスクを付けること以外にはありません。暑くても付けてください。粉末・微粒子を扱う工場などでマスクを付けるのも同じ理由です。
なお、パステルのような粉っぽい絵の具を使うときも同様な注意を払う必要があります。(パステルの製造には安全性の高い顔料が選択されています)
□ 関連リンク
毒に関するリンクです。