顔料と染料


□ 顔料と染料

色をを持った物質を一般に色素と呼びますが、用途により顔料(pigment)と染料(dye)に区分されます。
顔料と染料という呼び名の違いは両者の使い方の違いに由来するものですが、必然的に性質にも違いが見られます。

それでも、物質的に両者の境界線はあいまいではっきりとはしません。日本語では顔料と染料は用途によって分けられていますが、英語ではいささかあいまいに分けられているようです(私の英語力が不足しているのかも知れませんが)。


□ 着色方法の違い

染料はふつう顔料よりもはるかに小さな粒子で、染料が布の繊維に直接(化学的に)くっつくことによって布を染色することになります。
その性質上、染料を使うときは「どの染料で何を染めるか」考える必要があり、また着色範囲の制御が一般に難しいので絵画表現にはやや不向きです。顔料の場合は接着剤として働くビヒクル(展色剤)しだいで利用範囲が広がります。

一方顔料は染料よりも粒子が大きいので単独での着色は難しく、接着剤になるもの(展色剤)を用いてキャンバス等の上にくっつけてやる必要があります。水彩絵の具のようにアラビアガムとまぜたり、油絵の具のように乾性油を混ぜて用ることになります。
染料は粒子が細かいため比較的広い範囲を均一にムラなく着色するのに向いていますが一方で「にじみ」やすく、逆に比較的大きな粒である顔料ではにじみが少なくなりその点がより絵画には向いているわけです。


□ レーキ顔料

レーキ化という方法は染料を顔料に変えてしまう方法です。
この方法は体質顔料(無色の微粒子)の上に染料を吸着させるというもので、粒子の大きさを体質顔料の大きさにすることで、扱いやすくすることが出来ます。(体質顔料を染料で染めているという見方もできるでしょう)
かつてはレーキ顔料の中には性能が悪くて、溶剤のために体質顔料から染料が溶けだして色が分かれてしまう(ブリード)ような粗悪な製品もあったようですが、現在はそれほど性能の悪いものは出回っていないようです。
縮合顔料をはじめとする優秀な顔料の登場によりレーキ顔料はしだいに使われなくなる傾向にあるようです。


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