◇ 油の種類
油絵という画材の「油」というのはこの乾性油のことを指しています。油絵は乾性油と呼ばれる油なしでは描くことが出来ません。乾性油は「固まりやすい」性質をもった油のことで、この乾性油が固化することで油絵は「固まり」ます。
ところで、この乾性油には(材料により)いろいろな種類があるのですが、麻の種をつぶして得られる「あまに油(亜麻仁油)」とケシの種をつぶして得られる「けし油(芥子油)」の2種類が日本では油絵用として市販されています。
◇ 油の違い
ここで、油絵にはどちらを使えばいいかという話になるのですが、性能の点ではどちらにも長所と短所があり一概にどちらが良いということにはなりません。
まず簡単に二つの油の違いを表にまとめてみます。
| あまに油 | ケシ油 | |
| 乾燥速度 | 速い | 遅い |
| 色 | 黄色 | 透明 |
| 値段 | 安い | 高い |
以上のような特徴がありますが、その差はそれほど極端ではなくわずかな差異です。全く気にならない人もいるだろう程度の違いです。
◇ 油の選択
マニ油はケシ油よりもやや値段が安いせいか、アマニ油の方を使う人の方が多いようです。
まず、油絵を描く際に関心となるであろう、乾燥速度についてはアマニ油の方がケシ油よりもやや速くなります。実際ケシ油で描いているとアマニ油のときよりもやや乾燥が遅いように感じられます。乾燥速度が早いほうがよいという人はアマニ油を使った方がスムーズに描き進めることが出来るでしょう。
一方、アマニ油は多少黄色みを帯びているので、明るい色、とくに淡い色を使う人の場合気になるかもしれません。それに対してケシ油は無色透明であるためその点で困ることは全くありません。
その他、乾燥後の塗面の強度などには違いはないようですので、どちらを選ぶかというのは色と乾燥速度の好みと財布の問題でしょうが、自分は人にどちらの油がいいのか尋ねられたらとりあえず、アマニ油を勧めることにしています。「安い方でいいんじゃないか?」というわけです。